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「カラコンは目に悪い」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
おしゃれやイベントのためにカラコンをしたくても、目に悪いかもしれないと思うと不安になってしまいますよね。
そこで、今回はカラコンで目を悪くしてしまう原因や起こり得る目の病気、そしてカラコンを使う時に気を付けるべきことについてまとめました。
カラコンの正しい使い方をきちんと理解することで目のトラブルは防ぐことができますので、ぜひ参考にしてみてください。
カラコンは、説明書をきちんと読んで正しく使用すれば目に害を及ぼすことはほとんどありません。
ただ、決められた使用期限や装用時間、レンズのケア方法を守らなかったり、サイズが合っていないとさまざまな目のトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
カラコンは手軽に入手し、使用することができるので安易な気持ちで使用してしまう人は少なくありませんが、薬機法でカラコンが「高度管理医療機器」に指定されていることからわかる通り、使用方法を間違うと、健康に重大な影響を与える可能性があります。
このことから、トラブルから目を守るためには、適切にカラコンを使用することがとても重要だといえます。
カラコンで目を悪くしてしまう原因には、さまざまなものが考えられます。
ここでは、主な原因を5つご紹介していきます。
まず、自分の目に合わないBC(ベースカーブ)やDIA(レンズ直径)のカラコンを無理して使ってしまうと、目のトラブルの原因になってしまいます。
BCは、レンズの曲がり具合を示す数値で、曲がり具合が緩すぎるカラコンを付けると目にフィットせず装用感が悪くなります。
逆に曲がり具合がきつすぎると、目を傷つけてしまう恐れがあります。
また、DIAはドーム状のままのレンズ直径をmmで表した数字です。
大きすぎるDIAのカラコンを装用すると角膜に酸素が行き渡りにくくなり、角膜が傷付きやすくなるほか、外れにくくなるためカラコンを取る時に目に傷を付けてしまうことがあります。
度ありのカラコンを使う場合は、度数が合っていないと視力の低下や体調不良を引き起こすことがあります。
度数が合っていないカラコンを使うと、ピントを合わせるための毛様体筋の調整力を弱めてしまうため、近視がさらに悪化してしまいます。
また、長期にわたって度が強すぎるカラコンを使うことで老眼が早まるともいわれています。
さらに、度数のズレが影響するのは視力だけにとどまりません。
度が強すぎる過矯正は頭痛や肩こり、眼精疲労、吐き気などの体調不良につながるため、日常生活に支障を及ぼす可能性があります。
決められた使用期限や装用時間を守らなかった場合も目のトラブルが起こりやすくなります。
例えば、1DAY(ワンデー)の場合、1日以上(もしくは1回)の使用を想定していないため、1日以上(もしくは複数回)使用した際には、どの影響が起きるかはわからないですが、目の病気になるなど、悪影響を及ぼすことは容易に想像できるでしょう。
また、医師の指示や説明書通りの装用時間を超えて装用していると、角膜の酸素不足で角膜に傷がついたり、酸欠を解消するために血管が角膜に侵入したり(血管角膜侵入)などのトラブルが発生しやすくなってしまいます。
汚れた手でカラコンの着脱をするなど取り扱いに問題があると、目に傷が付いたり細菌感染を起こしたりするリスクが上がります。
また、それに伴って視力が低下する可能性もあります。
また、化粧が付いたままの手や爪が伸び切ったままの手でカラコンを扱うこともNGです。
まして、カラコンを2枚重ねで使うなどは非常にリスクが高く、絶対に避けるべきだといえるでしょう。
2WEEK(ツーウィーク)タイプや1MONTH(ワンマンス)タイプのカラコンを使用している場合は、日々の洗浄・保存をしっかりしていないと、レンズの劣化や目の炎症、感染症などにつながる恐れがあります。
含水率の大小はありますが、コンタクトレンズの中でもソフトコンタクトレンズは水分を多く含んでいる種類のため、細菌が繁殖しやすい傾向があります。
カラコンはそのすべてがソフトコンタクトレンズのため、不十分なケアによるリスクが特に高いといえるでしょう。
ここでは、カラコンが原因で起こり得る主な眼病である「アレルギー性結膜炎」「角膜内皮障害」「角膜びらん」について簡単にご紹介します。
アレルギー性結膜炎とは、目の表面にアレルゲンが付着して結膜に炎症を起こす病気です。
タンパク質や埃などのレンズの汚れが、時間とともにアレルギーの原因であるアレルゲンに変化します。
これによって、結膜が炎症を引き起こし、目の充血やかゆみ、異物感などが生じてしまいます。
角膜内皮障害は、角膜にむくみが出現し、目のかすみが生じる病気です。
例えば、説明書に記載の装用時間を超えて装用を続けていると、角膜内皮細胞で酸素不足が慢性化し、傷んで内皮細胞の数が減少します。
進行して細胞の数が非常に減ると角膜が浮腫を起こして濁ってしまい、目のかすみや視力低下を招く恐れがあります。
想定の装用時間を超える装用で角膜の酸素が不足すると、角膜びらんを発症する恐れがあります。
角膜を保護する上皮が剥がれ落ち、その内部がむき出しになることで、充血や激しい痛みといった症状を引き起こします。
角膜潰瘍と違い軽症で、視力障害の後遺症は残らないのが一般的ですが、角膜びらんを繰り返す「再発性角膜びらん」という状態になる人も少なくありません。
誤った使い方さえしなければ、カラコンで目を悪くすることはありません。
最後に、カラコン装用時に気を付けるべきことをまとめたので参考にしてください。
カラコンで目を悪くしないためには、決められた使用期限・装用時間を必ず守ることが鉄則です。
使用期限は、1DAYタイプは開封後1日、1ヶ月タイプは開封後1ヵ月です。
また、初めてカラコンを使用する際の装用時間ですが、1日目は2時間以内、2日目は4時間以内というように、徐々に長くすることが大切です。
その他にも医師から指示があった場合は必ず従うようにしましょう。
使用期限以内でも、装用前にはレンズに変形、傷、汚れなどがないかどうかを確認してください。
また、レンズの裏表も必ず確かめるようにしましょう。
1MONTHタイプを使用している場合は、装用前にレンズ用保存液ですすいでからから使うことで細菌などによる目のリスクを低減することができます。
充血していないか、乾燥していないかなど、カラコンだけではなく自分の目のコンディションも確認するようにしましょう。
異常がある時にはカラコンを使用せず、眼科を受診するようにしてください。
初めてカラコンを購入する時は眼科を受診し、BC(ベースカーブ)、DIA(レンズ直径)、度数などを調べてください。
自分の目に合ったカラコンを選べば、目のトラブルに見舞われるリスクを大幅に低減することができます。
目に細菌感染を起こすことのないように手指を石鹸でしっかり洗うなど、カラコンを扱う時は必ず手指を清潔にしましょう。
また、レンズに傷を付けないために爪を短く切ったり、先端を研いで滑らかにしておくことも大切です。
カラコンで目が悪くなったという話を聞くと不安になってしまうかもしれませんが、正しく使用することで目のトラブルを防ぐことができます。
ここでご紹介したことを参考に、安全にカラコンを使用してくださいね。