選び方
「コンタクトレンズって種類がたくさんあって迷う……」「一体、どれを買えばいいの?」
そうお悩みの方も、きっと多いことでしょう。
確かに、コンタクトレンズはさまざまなメーカーがいろんなタイプをラインナップしていますので、初めての方はどれにすればいいのか迷ってしまいますよね。
自分に合うレンズを選ぶのが難しいというお気持ちは、とてもよく分かります。
ですが、基本的なポイントを押さえれば、レンズ選びに迷うことはありません。
この記事では、使用期限や機能別にコンタクトレンズの種類について詳しく解説します。
コンタクトレンズには、硬いハードタイプと柔らかなソフトタイプの2種類があります。
ハードコンタクトレンズとは、長期間の利用を前提につくられたレンズのことです。
レンズは硬い素材でできており、サイズは小さく水分は全く含みません。
耐久性があり、一般的にレンズは2〜3年ほどの長期にわたって使われます。
購入時の価格が高くなるハードコンタクトレンズですが、1日あたりでコストを計算すると安価で、角膜に酸素を通しやすく目にかかる負担が軽いのも特徴です。
また、視力を矯正する力が強く、乱視の矯正にも優れています。
一方で、装着時に異物感があるため慣れるには時間がかかる上に、レンズがズレたり外れたりすることも多く、小さなゴミでも入ると痛みが出やすいなどの点がデメリット。
長期間使うレンズですので毎日のお手入れが欠かせず、手間もかかります。
ソフトコンタクトレンズとは、水分を含む柔らかな素材でつくられたレンズのことです。
1〜1.5年ほどの長期間を利用できるタイプと、1MONTH(ワンマンス)・2WEEK(ツーウィーク)・1DAY(ワンデー)といった使用期限が設けられた使い捨てタイプの2種類があります。
つけ心地がよく違和感が出ないため、初めての方でも比較的早くレンズに慣れるのが特徴で、柔らかなレンズは目によくフィットして外れにくく、特にスポーツする方に最適です。
レンズに含まれる水分量によって低含水レンズと高含水レンズに分類され、装着感や特性が異なります。
長期間利用できるレンズはコスパにも優れていますが、ネット通販では手に入りません。
逆に、使い捨てタイプは使用期限が短いレンズほど費用が多くかかります。
使い捨てのソフトコンタクトレンズには、使用期限別に1MONTH、2WEEK、1DAYの3種類があります。
1MONTHタイプとは、開封後1ヶ月間にわたり使用できるコンタクトレンズのことを指します。
長期間の使用が可能なことからコスパに優れており、毎日使いたい方にとってはお財布に優しいレンズです。
一方で、使用していくと汚れが蓄積されるため、毎日のお手入れは欠かせません。
汚れたままのレンズを使い続けると、眼病を引き起こしてしまう恐れがあります。
使用期限は「開封後1ヶ月」であり、あまり使っていないレンズでも1ヶ月が経過したら取り替えなければならない点にも注意が必要です。
使用期限が異なるタイプと組み合わせて、平日は1MONTHタイプで過ごし、イベント時や旅行時には1DAYタイプをつけるといった使い方もできます。
開封後2週間にわたって使用できる、2WEEKタイプというレンズもあります。
1DAYタイプと比べるとコストが抑えられるレンズですが、1MONTHタイプよりは少し割高です。
ただし、1MONTHタイプより交換のタイミングが早いため、2WEEKの方が汚れが蓄積されにくく、眼病のリスクを低減できます。
1MONTHと同様に、日々のお手入れは必要です。
1DAYタイプとは、使うごとに新品に取り替えるコンタクトレンズのことです。
常に新しいレンズを使うためいつも清潔で、面倒なお手入れは必要ありません。
眼病のリスクが低く手軽に使えることから、コンタクトレンズ初心者におすすめです。
各メーカーから多くの商品が出ており、ラインナップも豊富にそろっています。
ただし多くのレンズを消費するため、コストが高くつくのがデメリット。
週に1〜2回程度の利用であればコストを気にする必要はありませんが、毎日使う方にとっては割高です。
使い捨てのソフトコンタクトレンズには、おしゃれ目的のカラコンのほか、乱視用や遠近両用などもあります。
カラーコンタクトレンズ(カラコン)とは、オシャレ目的で利用されているレンズです。
黒目に重なる部分がさまざまな色に着色されており、装着すると目元の雰囲気を大きく変えられます。
レンズの中央部分は着色されておらず、黒目の瞳孔はカラーで覆われないため、カラコンによって視界が変わってしまうことはありません。
そして、多くのカラコンは、着色部分の2枚の透明なレンズでしっかりと挟む「サンドイッチ製法」で作られており、目に色素が侵入することを防いでいます。
クリアコンタクトレンズとは異なり、オシャレ目的でも使われることから、視力を矯正する「度入りレンズ」だけではなく「度なしレンズ」もあるのが特徴です。
また、オフィスや学校ではナチュラルに見えるレンズ、イベントの時は盛れるレンズといったように、シーンに応じて使い分けられます。
なお、カラコンも高度管理医療機器ですので、パッケージに承認番号が入っているものを選びましょう。
目の屈折異常である乱視を矯正するのが、乱視用コンタクトレンズです。
乱視とは、目の焦点が一箇所に集められないことから、ものが二重に見えたりぼやけてしまったりする視覚異常のことを指します。
乱視は目の角膜や水晶体がゆがんでいることから起こりますが、乱視用コンタクトレンズはそのゆがみを打ち消すように作られます。
レンズは受注生産品であることが多く、入手に時間がかかるのが難点です。
眼科で乱視用コンタクトレンズを処方された場合は、処方箋に乱視度数を示す「CYL(シリンダー)」や乱視の角度を表す「AX(アクシス)」が記載されます。
レンズに遠くを見る度数と近くを見る度数を持たせたものが、遠近両用コンタクトレンズです。
主に加齢によって眼球の調整力が弱まった、いわゆる「老眼」の方に処方されます。
遠近両用メガネの場合、レンズの上半分で遠方を、下半分で近くを見るように作られていますが、遠近両用コンタクトレンズはその境目がなく、自然に視覚を矯正できます。
一方で、遠方が暗いと見えにくく、慣れるまでに時間がかかるのがデメリットです。
なお、遠近両用コンタクトレンズの処方箋には、近くを見るための指数、加入度数の「ADD(アディション)」が記載されます。
今回は、基本的なコンタクトレンズの種類について解説しました。
コンタクトレンズにはハードとソフトの2つのタイプがあり、それぞれ長く使うものと使い捨てるものに分かれます。
使い捨てタイプはレンズごとに使用期限が決められていますので、ご自身の用途や予算に応じて選びましょう。
この記事を参考に、自分に合ったコンタクトレンズを選択して、快適にお過ごしくださいね。