選び方
「コンタクトレンズの度数ってどう見るの?」「コンタクトレンズの度数は視力で分かる?」
そんな疑問をお持ちの方も、多いことでしょう。
コンタクトレンズの度数は、近視用や遠視用、乱視用、遠近両用といったタイプによって、見方が異なります。
また、度数と視力は異なるもので、自分に合ったコンタクトレンズを安全に使うためには、事前の眼科受診がおすすめです。
この記事では、コンタクトレンズの度数の見方と視力との関係について、詳しく解説します。
最初に、コンタクトレンズの度数の見方について、タイプ別にチェックしていきましょう。
PWRとは、コンタクトレンズの視力を矯正する力を表す「度数」のことです。
パワー(Power)の略称で、ゼロを基準に数字が大きいほど矯正力は強くなります。
近視用レンズの度数は数値の前に「-(マイナス)」がつき、-8.00などと表記。
対して「+(プラス)」が表記されるのは、遠視用レンズです。
おしゃれ目的で使われるカラコンなど、度が入っていないレンズは「0.00」と表記します。
CYL(乱視度数)やAX/AXIS(乱視軸)の数値が記載されているコンタクトレンズは、乱視用です。
1つ目のCYLはCylindrical(円柱形)の略称で、乱視度数を表します。
PWRと同様に、近視用のレンズでは数値の前に「-(マイナス)」がつき、遠視用は「+(プラス)」をつけて表記。
2つ目のAXは乱視の方向軸で、0~180度までの角度で表されます。
乱視用のコンタクトレンズは決まった方向につけないと視力を矯正できないため、向きが変わらないようにガイドマークや重りがつけられているのが特徴です。
なお、プラス・マイナスを問わずCYLが0.1程度であれば、一般的に乱視の矯正は行われません。
ADD(加入度数)が記載されているコンタクトレンズは、遠近両用です。
遠近両用レンズは、いわゆる「老眼」の矯正を目的として使われています。
レンズは遠くを見る部分と近くを見る部分とに分かれていて度数も異なるため、ADDによってそれぞれの差が数値化されています。
多くのメーカーでは、ADDをPWRの後ろにカッコ書きで記載。
例えば、PWR-5.00(+2.00)のレンズなら、近くを見る時の度数は-3.00と判別します。
メーカーによっては、「LO・MED・HI」と段階を分けて度数を表記しているところも。
なお、ADDとはAddition(追加・足し算)の略称です。
コンタクトレンズには、度数の他にもいくつかの表記があります。
BCとは「ベースカーブ」のことで、目の曲がり具合を数値で表したものです。
目のカーブは一人ひとり違いますので、眼科で正確に測定する必要があります。
DIAとはコンタクトレンズの「レンズ直径」のことで、mm(ミリメートル)で記載されます。
ソフトコンタクトレンズであればDIAは14.0mm前後が平均サイズで、大きいほどレンズが目を覆う面積は広くなります。
EXPはExpiration Dateの略称で、コンタクトレンズの「使用期限」のことです。
2025.4.30などと年月日で記載され、未開封のレンズがいつまで安全に使えるのかを示しています。
度数と視力は全く異なるものです。
また、コンタクトレンズとメガネの度数も違った数値になることが多く、どちらかを初めて使う時は眼科の受診をおすすめします。
コンタクトレンズの度数と目の視力は、全く異なります。
度数とは、目の見える力を補うために必要となる「レンズの屈折力」を数値化したものです。
そして視力は、目の見える力そのものを数値で表しています。
視力は一般的に、アルファベットのCの字のようなランドルト環を使って計測し、1.5や0.1といった数値で記録されます。
この視力、実は非常にあいまいなもので、同じ1.0でも人それぞれで見え方が違います。
つまり、視力を矯正するために必要なレンズの度数は、人によって異なるということです。
コンタクトレンズやメガネを作る際は、同じ視力だったとしても、フィットする度数は一人ひとり変わるということを覚えておきましょう。
コンタクトレンズの度数とメガネの度数は、多くの場合で異なります。
なぜなら、目とレンズまでの距離がお互いに全く違うからです。
コンタクトレンズは目に直接密着させて使用するため、レンズとの距離はゼロです。
一方で、メガネは目から12.0mm前後ほど離れていますので、コンタクトレンズと同じように視力を矯正しようとすると、必ずしも同じ度数とはなりません。
さらに、コンタクトレンズを買う時は、目にフィットさせるために必要なレンズの「BC(ベースカーブ)」にも考慮が必要です。
つまり、メガネを持っているからといって、自分に合ったコンタクトレンズがすぐに作れるというわけではないのです。
コンタクトレンズを初めて使う時には、事前に眼科を受診しましょう。
受診後にもらう処方箋で、自分の目に合うコンタクトレンズの度数やBC(ベースカーブ)が分かるからです。
多くの場合、メガネとコンタクトレンズでは度数が異なります。
また、コンタクトレンズは目に直接装着するもので、自己判断で使い始めるのは大きなリスクを伴います。
そのため、新たにコンタクトレンズを使う時には、たとえメガネを持っていたとしても眼科の受診をおすすめするのです。
眼科では、専用の機器を使って一人ひとりの目の状態をチェックした上で、その人に合ったレンズのデータを処方箋に記載してもらえます。
コンタクトレンズを安心・安全に使うためにも、初めての方は眼科を受診しましょう。
コンタクトレンズの度数は、眼科を受診してもらえる処方箋か、使っている製品の外箱やブリスターケースを確認することで分かります。
1つ目の方法は、処方箋に記載された度数を確認することです。
眼科で検査を受けた後にもらえる処方箋には、自分の目に合う度数やBC(ベースカーブ)などのデータが、左右それぞれで記載されています。
トラブルを避けるためにも、コンタクトレンズは処方箋に書かれた度数を選びましょう。
また、目の状態は日々変化していきますので、コンタクトレンズを使い始めてからも3ヶ月に1回を目安に眼科で検診を受け、度数などに変化がないかを確認することも大切です。
2つ目の方法は、使っている製品のパッケージを確認することです。
コンタクトレンズは製品ごとに、0.25または0.5刻みでたくさんの度数があるため、外箱には必ず度数のデータが記載されています。
また、コンタクトレンズが入っているブリスターケースにも同様の記載があります。
手元に処方箋がない場合は、製品のパッケージの記載から度数を割り出しましょう。
今回は、コンタクトレンズの度数の見方と視力との関係について解説しました。
コンタクトレンズの度数には近視用や遠視用、乱視用、そして遠近両用があり、それぞれ略称と数値で見分けられます。
また、度数と視力は全く異なるものですので、例え自分に合う度数のメガネを持っていても、コンタクトレンズを初めて使う時は眼科で目の状態をチェックしてもらいましょう。
なお、今使っているレンズの度数は処方箋や製品のパッケージで確認できます。
この記事を参考に、自分に合ったコンタクトレンズを選んで快適にお過ごしくださいね。